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シークレット☆ミッション!  (24) [フィクション]

シークレット☆ミッション!


-エピソード・2-


24(第二十四章・了)



 この物語はフィクションです。登場してくる人物や背景の在り方などは、全てわたくし鐘井音太浪(著者)が想像した空想上のものです。
 尚、著作権等々に関しましては、今のところわたくし鐘井音太浪にあり、この件の詳細事項に関しましても従来どおりのこととします。

 では、下記の “本編はここをクリック” をクリックして シークレット☆ミッション! -エピソード・2ー 24(第二十四章) をご堪能くださいませ。

m(_ _)m





シークレット☆ミッション!


-エピソード・2ー


24(第二十四章・了)



 その夜……昨夜にない動きがあった。
「はい、もしもし!」
「……」
「あら、珍しいわね、こんな時間にケイタイしてくるなんて!」
「……」
「え!これから……」
「……」
「いいわよ!」
「……」
「そこに行けばいいのね!」
 安達明代は携帯を切って、なにやら部屋の中を動き回った。そして、その足音が玄関口へと動いた。上下の部屋の内装は基本同じだ。
「どうやら出かけるようねぇ!」 幸子が言った。
「うん、そのようだね!」 あっけらかんと弘美が答えた。
 弘美もそれなりの格好をして、「お仕事行ってきま~す。バックアップよろしくね、幸子!」と玄関口へ……。
「分かったわ、任せて、弘美!」 幸子は答えた。
 二人が外に出ると、安達明代はケイタイを頬に当てていた。 道路脇歩道に立っている。
 弘美と幸子はアイコンタクトをし、頷き合った。
「これって、タクシー……」 弘美が言いかけたとき、安達明代の前で一台のタクシーが停車した。ハザードランプを点灯させている。が、チカッチカッ!と二度三度点灯させた短い時間で客を乗せると走り去ってしまった。
 幸子は既にもういない。三分も経たぬうちにGTーRを駅米のパーキングから取ってきた。
 道路脇に幅寄せし停車。そのまま助手席に弘美は乗った。
 今回は幸子の運転だ!弘美は安達明代を尾行しなければならない任務がある。助手席のが何かと都合がいいのだ。
「あのタクシーだわ」 弘美が言った。
「了解!」 幸子が答えた。
 弘美は既に、シークレット☆フォーンのGPS機能の赤い点滅で目標の特定をすませていた。同様のボディをしたタクシーが行き交う中、その赤い点と同じ動きを見せているタクシーがそれだ。
 弘美は運転中の幸子の胸ポケットからケイタイを取りだしかけた。
「あ、直美?目標が動き始めて、今、幸子と尾行中なの!」
「……」
「幸子の変わりに、あれ、移動できるように、待機していて!」 弘美が言った。
 ケイタイ送受信の向こう側……
「あいよ!」 直美は答え、携帯を切るときにはもう既に地下ガレージに移動していた。ちなみに、ケイタイを受信したのは自分の部屋。速やかに任務遂行とあらば行動に移すのがこのレディたちなのだ。突然なんて当たり前!こんなことで変顔を見せているようじゃシークレット☆ミッションレディとし失格である。彼女たちのプロ根性は半端ない、のである。最もそんなああ合い敷きすら、彼女たちには当たり前すぎて微塵にも意識すらしている者は誰一人いやしないが……。超弩級のカリスマだ!
 直美は軽四輪に乗ると、出かけていった。
 一方……GTーRの二人はその後もタクシーを尾行していた。
 そして、その先は、郊外の倉庫街だった。その旨を定期的に弘美は直美に知らせた。最も、弘美が所持しているシークレット☆フォーンの煙波発信を辿り、とある場所で車を乗り換え追随しているだけだが。
 タクシーのバックミラーでGTーRが見えるか否かの距離を保ち尾行。シークレット☆フォーンで追随できるので、視界に捉えられなくなったとしても何の支障もない。
 タクシーはどんよりとした感じのする倉庫街奥の片隅でハザードランプも炊かずに停車した。間もなく女が降りて、タクシーは走り去った。
 幸子は、ある一定の距離を置きGTーRを停車させ只今降りた女の動きを探った。言うまでもないことなのだろうが、当たりには人に気配は全くない。若干遠くのヤマを工面した暗がりで、車のヘッドライトと思われるパッシングが、突然二人の目を襲った。フラッシング現象を軽く見舞った弘美と幸子だった。
 が、そのパッシングの目的は、降りた女への合図のようだ。女はパッシングした元に向かって歩き始めた。それ以外に不穏な動きはない。シークレットレディの存在には気がついていないようだ。一瞬にして二人は胸をなで下ろした。
 目をこらしてその方向を見ている打ちに、ツーボックスの乗用車の輪郭が見え始めた。闇に紛れる色はどう考えても、誰が考えてもこの色しかあり得ないであろう……。
 闇にまみれ……大きな固まりが、音もなく、弘美、幸子の乗るGTーRの背後に迫ってきた。
 が、流石はシークレットレディの二人。それでもそれに気がついた。弘美と幸子は焦る様子を微塵も見せず、アイコンタクトで微笑した。
 幸子のケイタイがバイブした。手にしていた弘美が出た。
「ああ、直美。お疲れっ!」
「久しぶりに乗ったけれど、苦手だわ此奴は……」 トレーラの運転席で直美は否定に滲んだ汗を手で拭った。そんな様子が、GTーRのサイドミラーに映った。そして、直美は暗視機能のついている双眼鏡を除いている。
「どう?社内の様子は」 幸子はケイタイに向かって言った。
「何か、話しているようだよ!」 直美の様子を左のサイドミラーで窺う弘美。「目標は後部座席に運転席側に乗っているよ!あとは、運転者がおっさんぽい男で、助手席には誰も乗っていなくて……後部座席に若い男が……特徴は青木麻史にそっくりだよ!」
「どう考えても、本人に間違いないわね」 幸子が推測ながらも断定した。
「あ!」 GTーR後方のトレーラの直美が驚き発見の表情と共に、ケイタイから聞こえた。
「どうしたの?直!」 弘美が訊くと、「一台かと思っていたけれど!後ろにもう一台、黒塗りのワンボックスタイプの車が……」 直美は一旦言葉を切って、更に双眼鏡を除いている。そして、「運転席と助手席に……」 更に窺う様子が弘美の目に映る。 「直っ、あんまり夢中になりすぎて……」 弘美が忠告。が、「……後部座席の様子は見えないわ。サイドガラスが暗すぎて……この眼鏡を持ってしても……」
 そのとき、コンコン!トレーラの運転席ドアを外からノックする音がした。一瞬焦った直美だったが、窓ガラス越しにそれを見た。いつの間にか、巡回してきたパトカーがトレーラー後方にあり、制服を着た警官が立っていた。前の二人も、その珍客に気がついた。
 それまでは、辺りに真釜が潜んでないか注意を払っていたシークレットレディの三人だったが、五分以上立っても何も動きがないことから、前方の車に注目していた三人だった。
 暗がりでも、流石にパトランプは目立つ。点灯していなくともだ。
 前方の車のドアが開きダークスーツを着た者立ちが出てきた。二人……いや、三人だ!
 一人は、女が乗った後部座席ドアの外に立ち、窓をノックした。ガラスが開き、何か話し始めた様子が窺える。
 残りの二人はゆっくりとこちらに歩み寄っている。右手を上着の内側に入れている。このシチュエーションから考えられることは、ほぼ、その内側で手にしているのは拳銃の類であろう。
「開けなさい!」 GTーR後方で若い男の声がした。なかなか開けない直美にしびれを切らせ警官が声を張り上げたのだ。
 ドン!
 ゆっくりと前方から歩み寄ってきた者らの打ちの一人が、いきなり発砲してきた。その矛先はトレーラー脇の警官だ!
 が、いきなり開いたトレーラーのドアに当てられ倒れた警官は、その銃弾を受けずに済んだ。が、顔面にドアが当たったようで手で押さえて痛がっている。颯爽と直美はトレーラーから降りて、トレーラー後方へ……。「銃で撃たれるよりましでしょ!」
 なのも状況がつかめていない警官は怪訝顔で直美を見る。起きあがろうとしている警官に……「伏せてなさい!撃たれるわよ!」直美は言い放った。
 ドン!パキュン!
 もう一人も銃を出して発砲してきた。不規則だが言っての感覚で発砲し始めた。
「早く、こっちに隠れな!」 直美が言いはなった。縦断がそれている間に警官もトレーラに陰に移動し身を守る。
「どういうことなんだ?あんたは誰なんだ?」 警官は直美に質問した。
「まあ、とにかく今は、その質問に答えている場合じゃないよ!」
「そう言うことよ!」
「ごめんね、警官さん!」
 ドスッ!
 警官の背後から二つの女子声がしたかと思うと、いきなり当て身を食らわせられてしまった警官は気を失い倒れた。
 いつの間にか、GTーRから出て、弘美も幸子もトレーラーの後方に移動してきていた。
 三人は顔を見合わせ頷いた。幸子はこういう事態には常に所持しているリモコンスイッチで、トレーラー後方のパネル式扉を開けた。半開きになったところで、気を失っている警官を中に入れ、三人は入り、完全に開かぬまでも入れたので、今度は閉めるボタンを押した。
 直美が警官の手を縛り、ガムテープで目隠しをした。
「あいつらの銃弾に倒れるよりはずーっとましでしょ!」
 例え警官であっても、このトレーラーの存在……特に内部を見られるわけにはいかない。内題後方半分の今はバイクの載っている車庫に警官を残し、その前方部に当たる、移動用作戦室等々を兼用している部屋に入った。三人が入ると、最後に入った弘美がしきりに中扉を閉めた。
 各所モニターに外の様子が映っている。トレーラー外部に仕込まれている数機の小型カメラからの映像だ。
 ちなみに、このトレーラーのボディは戦車並みの防弾加工している。ガラスの類も然りだ。バズーカー砲でも所持していない限り破ることは出来ない。タイヤなどの下部も、今は厚さ五ミリ装甲板が降りていて、抜かりがない。件寿の卵時なら何ら問題なしだ。
「さあ、反撃としますか……弘美、直美!」 幸子が言った。
「よっしゃ!いこう、弘美さん!」 直美も反撃準備万端だ。
「じゃあ、フォーメーションBね!」 自体を想定しあらかた決めてある作戦で行くことを確認した。
 フォーメーションBとは、こういった敵に先に攻撃を受けてしまった場合に備えた反撃に転じる術だ。
 颯爽とそれぞれのボディスーツに着替えた三人は、それぞれの愛用拳銃を武器専用ロッカーから取り出し、装備した。そして、お決まりのライダーズジャケットをもそれぞれ羽織った。
 幸子と直美はグリップに仕込むマガジンを……。弘美はシリンダーを、弾が入っているかを再度確認してフォルダーに納めた。
「お~い!雌豚ども!三匹残らず出てきやがれ……此奴らをぶっ殺すぞ!」 外部音声を捉えるためのマイクがその声を拾った。モニターを見ると、青木麻史と安達明代が、眉間に銃口を突きつけられ……ツーボックスの乗用車の両脇にいるのが見える。
「分かったわ!今出るから……待ってなさい!」 弘美がスイッチを押しながらマイクに蛾なり立てた。「バックアップよろしく!」 右親指を立てると弘美は颯爽とトレーラーを出て、その前に出た。
「おい!お前一人じゃなかったろう……他にもいたようだったが?どうした……」
 弘美はゆっくりと、GTーRの助手席側を相手に向かって歩む……。四十四口径マグナムなら届く射程距離内だが、新月の闇夜という死角がさいなむ可能背があるので、向こうが発砲してきても何とか回避できるであろうぎりぎりに、その距離を置くつもりでいる。
「そんなとより、その二人は、あなた方の仲間じゃなかったの?」 弘美が叫んだ。
 不敵に笑った相手の男。女の砲に銃を突きつけている男が答えた。 「仲間?此奴らは葉なっから仲間じゃねえよ!」
「やばくなったから、トカゲにしっぽ切りか?」 弘美が心境を読んだ。
「さあな?何のことだか?」 男はすっとぼけた。が、その顔は不適に微笑し、明らかにそうだと言っている。
「惚けても駄目よ!現に銃刀法違反だわ!」 弘美が言った。
「うっせ!」
 バキュン!
 一発はなってきた。が、その弾は弘美とはほぼ遠い手前で落ちた。舗装されて地面にはじけた。
「その銃の射程可能距離は最大で二十メートルと見たわ。この距離では届いたとしても、狙った急所には当たらないわ」
「うっせ!」
 パキュン!
 もう一発今度は青木麻史を掴んでいる方の男が撃ってきた。
「残念!」 そう叫んで弘美の胸ポケットのケイタイがバイブした。合図だ!
 弘美は左手でライダーズジャケットの表側から左胸当たりを直す振りをしてフォルダの留め具を解除し。 「いいわ!拳銃の撃ち方を教えてあげるっ」 と、言った途端早撃ち!
 ドォヒューン!
 と言う重低音の他に、ほぼ同時に、
 バスン!
 と言う軽めな銃声が……行為に合わせて、鳴った。
 女と青木麻史を捕まえていた男がそれぞれ後方に体を大きく反らせた。
「今のうちに!逃げるのよ!」 横から女の声がして闇にまみれた物陰から直美が近寄った。直美は安達明代を庇いながら、青木麻史にも呼びかけた。
 遅まきながら反応した青木麻史は、気持ちがいっぱいいっぱいながらも、命かながらに逃げる。
 背後から肩を撃ち抜かれながらも男は銃を構えた。その延びきった銃を持つ手に……
 バスン!
 と何かが打ち抜き銃を落とした。弘美は四十四口径を放ってはいない。その内抜いたものは、ライフル弾!トレーラー上から根滑った幸子が銃口に備わった二本の脚を立て、ライフル銃で狙撃してきたのであった。
 ドォヒューン!
 車を挟んで逆側では、直美と安達明代に男が銃を再び向け、今にも発射しかけている。そこをすかさず、弘美の四十四口径が襲った。男に右手は打ち抜かれ、銃を落とした。うずくまっている男らに、直美と安達明代が手錠をかけた。
 まあ、初顔、ともいえる状況の二人……直美と晶代だったが、アイコンタクトを取った瞬間に笑いあえた。
 が、後三人、男が残っている。遅まきながら歩み寄ってきた二人が銃を構えるが、トレーラーの砲の二人を撃ったらいいのか、はたまた、直美や晶代を撃てばいいのか、銃口を縦横無尽に向けている。それでは当たるものも当たるわけがない。
 とりわけ、銃を放ってきたトレーラーの二人、弘美と幸子へと銃口を定めたとき男たちの背後から軽めの銃声が鳴った。
 パンッ!
 パンッ!
 右肩、左肩を押さえ跪いた。運転席に乗ったままの者……直美の角度からだと性別が確認できる。男だ!車から出てくる様子を全く見せない。幸子と弘美が既に直美と晶代に撃たれた二人の近寄り手錠をかけた。
 その間に、直美が運転者に近寄り、ガラスを左手でノックし、銃を構える。 「出てきなさい!」
 ゆっくりとドアが開き、男は出てきた。発砲するどころか、銃を持つ様子がない。
 ボディチェックをしているときポケットからジャックナイフは出てきたものの、どうあっても太刀打ちできないと、賢明に思った……思い知らされてしまったのであろう。股間付近にちびった失禁後が。
「その子はどうやら雇われドライバーのようよ!」 安達明代が三人に言った。
 例によって、遠くからこの現場に近づくサイレンの音が……それぞれを動けぬように手錠を工面して手や足に填めた。青木麻史も当て身を喰らい束にされている。
 幸子はトレーラーに。
 直美はその助手席へ。
 弘美はGTーRへ。
 安達明代は……。
「ねえ、あなたもシークレットなんでしょ!送っていくわよ!どうぞ!」 弘美がGTーRに乗るように進めた。
 安達明代は無言で頷き、笑った。 「うん、遠慮なく!」
 同じ年頃の弘美に、気を遣う様子もなく安達明代は助手席に乗った。
 安達明代こと、晶子も含むシークレットレディたちは漆黒の闇にまみれ、眼下に臨める都会の夜景に向かった。

 現場にもう一つ……
 手足を単独で縛られた男が転がっている。
 そう、あの途中で御邪魔となった警官だ!

「まじめなのもいいけれど!場の空気、即読めないとね!」 と、直美。
「そうね、よくいるのよスタンドのバイト君に。やる気十分なんだけれど、それが帰ってから廻りして無駄にやりすぎてよけいな仕事を増やしちゃ人が……」 と、幸子。
「でも、イケメンだったわよ、わりかし!」 と、弘美。
「あんたたちって、いつも、こんな会話しているの?」 それを訊いていた晶子が言った。
 帰りの車中。GTーRとトレーラーでケイタイを通じ会話する三人……!いや、今回は四人の娘だった。

「駄目っ?」 弘美が晶子に訊ねた。
 三人はその答えを待った。
 晶子は思いっきり多待て……
「……楽しそう……」


 シークレット☆ミッション! ーエピソード・2ー 了


 
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